嫉妬SS

  • 2009/03/25(水) 07:36:21

しばらく間が空いてしまったので、本腰入れる前に、ちょっとリハビリさせていただきます。
リハビリ用で粗く、しかもエロ要素入りなので、サーチへの反映はいたしません。
題名もつけません。

いつも様子見に来てくださっている方へのお礼も兼ねて。
いや、エロが苦手な方には、まったくお礼になっていないかも、ですが…(^^;)

「歌うたいのココロ」のカイマス。
初めての飲み会から帰ったマスターの一言が原因で、カイトが暴走。
かなり間が空いてしまいましたが、15日の話です。

思いっ切りBLです。
雑な文章なので、R16とさせていただきます。

『嫉妬SS』



「遅い……」
 リビングの時計の針を睨み付けて、俺は何度目かの溜め息を零した。
 今日はマスターの誕生日だ。戸籍の上での。
 昨日が本当の誕生日で、少し贅沢な夕食を作ったりして、マスターと二人きりでその特別な日を祝った。
「カイトには本当の誕生日を祝って欲しいって思ったんだ」
 その言葉が嘘とは思わない。
 だが、今朝大学に行く前にマスターに告げられた内容に、俺はとても複雑な気分にさせられた。
「こっちの誕生日に飲み会が入ったから……じゃ、ないですよね……?」
 ここにいないマスターに向かって、問い掛ける。
 楽しみの邪魔をするのは気が退けて、電話をかけることもできず、もうすぐ12時を指そうとしている時計から、目を反らせずにいる自分が情けない。
 ゼミの友人に、彼女いないんだったら問題ないよな?などと言われて、押し切られたらしい。
 ゆっくり楽しんで来てくださいね、と余裕を見せて送り出したものの、8時からと言っていたから10時には帰ってくるものだと信じていた。
 マスターは、顔も背も体型も平凡な男性で、そんな心配は無用とわかっていても、変な男に絡まれたりしないか、気掛かりで落ち着かない。女性から何かアプローチされたところで、マスターなら絶対に気付かないし、むしろそちらの心配はまったくしていないのだが。

 あれこれ考えていると、ようやく玄関のベルが鳴った。
「おかえりなさい、マスター」
「ただいまー」
 ほんのり頬を赤くしたマスターは、帰宅の挨拶もそこそこに、ややぞんざいな調子で靴を脱ぎ捨てた。
「ああ、もう……、最悪!」
「どうしかたんですか? 飲み会で何か?」
 楽しくなかったのなら、主賓だとしても、波風立たさずうまく抜け出すのくらい、処世術に長けたマスターなら容易いだろうに。
「いや、飲み会自体は良かったんだけど。帰る直前くらいに、酔いが回った先輩がキス魔になっちゃってさ……」
「……え?」
 マスターの思いもよらない言葉に固まる。
「もう、男女構わずキスしまくんの。いつもはいい人なんだけどなぁ」
 貴方はされていませんよ……ね?
 そんな願いは、こちらを振り向いたマスターにあっさりと打ち砕かれた。
「だから、なんか口直しにちょうだい」

「キス……されたんですか?」
 自分でも意外なほど低い声に、マスターは一瞬目を見開いて、無言でこくりと頷いた。
「どんな風に……?」
「え……、カイト?」
 ソファの縁に軽く腰を降ろしていたマスターは、真顔で距離を詰める俺に戸惑った様子で、名を呼ぶ。
「こんな風に?」
 戸惑いのせいで動けないマスターの唇に自分のそれを重ね、軽く音を立てて吸った。
「それとも……」
 アルコールのせいだろうか、いつになく反応の遅いマスターは、決して性急でない俺の行為に抵抗すらできなかった。
 微かに開かれたままの唇の隙間から、舌を滑り込ませ、歯列をなぞり、逃げることを忘れたマスターの舌を捕らえ、くすぐり絡め合い、存分に弄んだ。
「ん……っ、あ、…んぅ」
 快感に慣れていないのか、キスだけで甘く蕩けた声を漏らした。酔ったマスターの口内の熱さに、俺の方が溶かされそうな錯覚を覚える。
「こんな風に……ですか?」
「か、カイト……?」
 唇の端についた唾液を指でそっと拭いながら、問い掛けると、ここまでしても現状理解ができていないらしいマスターは、呆然とした顔で俺の目を見返した。
「そんな潤んだ瞳で、その先輩とやらも誘ったんですか?」
「誘うって、一体、なんの話だよ!」
 生理的な涙で潤んだ瞳と、酒気を帯びた赤い頬。
 俺には、十二分に誘われているように映りますよ。
 俺の言動が理解できず、怒りを露わにした強気な眼差しと、跳ね上がった眉も征服欲を煽るだけ。
 ふと視線を下に移して、マスターの身体の変化に気付く。
「ねぇ、マスター……勃ってますよ?」
 揶揄うように笑いを含んだ声音で耳元に囁くと、焦ったマスターは、また無防備になる。
「え…っ。な、なんだよ、別に……あっ」
「こちらですよ。ほら、シャツの上からでも、よくわかる」
 股間に意識が向かった隙に、薄手の長袖シャツの胸元の尖りを摘んだ。触る前から硬くなっていたそれを指先で転がすように擦ると、マスターは身体を跳ねさせた。
「や、やめ……っ」
 必死に俺の腕を押し返そうとするが、すでに力が入っていない。
「随分と感度がいいですね。ああ、アルコールのせいですか?」
「ん、あ…、なんでこんな……っ」
「貴方があまりに不用心だからですよ……」
「そ…、んん…っ」
 文句を言おうとした唇で塞いで、ソファにマスターの身体を押し倒した。
 シャツの隙間から忍び込ませ、その滑らかな肌に手を這わせる。そっと身体のラインをなぞっただけで、マスターはその身を震わせた。敏感な反応に気を良くして、そのまま服をまくり上げる。火照った肌は、ほのかに桜色に色付いており、いつか見た素肌よりもずっと扇情的に映った。
 一際鮮やかな胸の尖りに口付けて舌先で転がすと、マスターの口から噛み殺しきれなかった嬌声が漏れた。
「…マスター、いやらしい」
 両手を頭上で押さえ付けて、抵抗を封じて見せ付けるように、ゆっくりとベルトを外し、ズボンのジッパーを降ろした。
「さわん…なっ」
「こんなに硬くしておいて、何を言っているんですか」
 下着越しに形をなぞるように擦り上げると、じわりと欲情の証が滲んだ。素直な反応にくすりと笑って、下着ごとズボンを降ろすと、マスターの中心は、すでにとろとろと先走りの液を溢れさせていた。
 それを擦り付けるように扱き上げると、卑猥な水音がたった。
「あ、…や、かい…とっ、ああ…っ」
 涙を滲ませながら、必死に快感を散らそうと頭を振る姿が、余計に俺を煽る。滾った下半身の熱が解放を求めて、俺の思考を甘く溶かしていく。
「マスター…、貴方を抱かせて」
 目尻の涙にそっと口付けて、耳元で悪魔のように優しく囁きかけると、マスターの返事を待たずに、後ろに指を……


「カイトー、何やってるんだー?」
 マスターの呑気な声で、唐突に妄想が破られた。
 今いるのは、キッチンの中。そして、己の手には、瑞々しいグレープフルーツの果実が握られていた。
「ああ…、もう少しだったのに……」
 こっそり不穏な言葉を零しながら、作業を再開した。

「お待たせして、すみません。グレープフルーツを絞ってました。はい、二日酔いになりにくくなるらしいですよ」
「サンキュ。さっぱりしてるし、口直しにもいいよな」
 何食わぬ顔をしてジュースを手渡すと、マスターは苦笑して、俺の苛立ちの元となる単語をまた口にした。
「そんなに、お嫌でしたなら、俺が口直しして差し上げてもいいですよ?」
 八割本気で、慇懃無礼な言葉を囁きながら、俺の唇を指し示して見せた。
「ばーか、お前も男だろ。口直しにならないって」
「ですよね」
 案の定、完全に冗談だと思われている。
 というか、俺のキスと酔っぱらいのキスを同列扱いするのは、本気でやめていただきたいのですが。
「俺としたときも……嫌でした?」
「へ…?」
 ぱちくりと不思議そうに瞬きをして、マスターが俺の顔を見た。
「キス」
 その瞳をまっすぐに見詰め返して、はっきりと言葉を紡ぐと、見る間にマスターの顔面が、真っ赤に染まった。
「ば…っ、あのな、アレは意味が違うだろうが! 今回のなんかと、勝手に一緒にすんな!!」
 慌てて立ち上がり、俺の元に詰め寄って胸ぐらを掴み掛かる勢いで、そう一気にまくしたてると、マスターは、ふらりと体勢を崩した。
「だ、大丈夫ですかっ?」
「…うぅ、酔いが回ってきた…」
 そう小さく呟くと、支えた俺の腕の中で、目蓋を閉じた。ほどなく、ずしっとマスターの身体が重くなる。規則的に聞こえる小さな呼吸音。
「……寝ちゃいましたね」
 起こさないように、そっと寝室に運びながら、俺は嬉しい溜め息をそっと零した。
 不逞の輩のキスと違うと、怒りを伴うくらい強く断定してくれた。
 それが、とても嬉しかった。

――ねえ、マスター。その頬を染めるような意味で、俺は『特別』なんだと自惚れても、いいんでしょうか?

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あとがき
なんだか、最後が思ったよりもホワイトカイトになりましたw
カイトはいつもこんな妄想をしています。(断言)
これは番外編系ですが、「先輩」側は本編として考えています。
ただ要になりそうな話かつ、エロ要素がかなりしっかり入りそうなので、保留中です(^_^;



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